アキ・Y・ワタナベ 「ガーベラ・生命の循環」
作家紹介
Aki Yusyo Watanabe
アキ・Y・ワタナベ(1964〜)
アキ・Y・ワタナベは、1964年東京生まれのコンテンポラリーアーティストである。1975年の吉村益信らの反芸術運動の拠点として発足したアーティストユニオンを母体とするニューアートユニット(NAU)の中心メンバーで、1990年代後半から、記号化された人物と写実的に描かれた植物などが同一画面に全く異なる表現で描かれている作品が特徴的だ。アカデミックでは、本来、この様な表現はタブーだったが、幾たびか受賞を重ねるごとに評価を得るようになった。
植物をモチーフにした作品では、ネガポジが反転で描かれ、上下左右どの方向からでも複数の画面が連続して構成されている。人物表現でも同様にネ反転手法や写実が同一画面に描かれているところから混在主義と呼ばれている。2000年代は海外展も多く、サンタモニカ(アメリカ)、ブラジル、バングラデッシュなどを巡った。
近年はこうした技法だけにとどまらず、複数の事象を混在させ、多様的なテーマの混在に挑んでいる。日本におけるコンテンポラリーアートは活発だが新しい試みは希少だ。そのなかで、アキ・Y・ワタナベの混在性は今後も注目される。